腰痛の原因は?どうして腰痛になるの?

在宅ワークやコロナ禍で、動かず、ずっと家にいることが多くなったので、腰痛を抱えている人も増えたように思います。少し古いですが、後世お労働省が平成28年に行った調査では、国民の10人に1人が、普段から腰痛を感じていると言うことがわかりました。しかし、腰痛といっても、腰痛はたくさん種類があり、原因も人それぞれです。腰痛を直したのであれば、腰痛が生じるメカニズムを知っておいた方がいいです。なぜなら、腰痛の治療方法も原因で違うからです。今回は腰痛の原因メカニズムについて、徹底解説いたします。

腰痛の原因

腰痛

今まで腰痛の80%は、原因の特定が困難とされていて、原因がわからない『非特異的腰痛』と診断されていました。しかし、『腰痛診療ガイドライン2019』によれば、レントゲンやMRIなどの画像検査が発達し、原因不明の腰痛は実質22%であったことが報告されました。
またレントゲンやMRIから、腰痛の原因は椎間板にあることがほとんどだということが発覚し、椎間板の形がつぶれていたり、大きく膨れたり、椎間板が飛び出したりして、腰回りの骨や椎間板などの位置が正しい位置から動くと、腰痛を感じることがわかりました。また、椎間板が正しい場所にないと、周囲の神経を圧迫し、神経痛を発症している場合もあります。

腰痛の原因は大きく3つに分けられます。

腰にかかる負担が腰の強度を上回り、起こるもの

例えば、椎間関節性・筋筋膜性などです。疲労した筋肉は血流が悪くなります。血液には栄養を運ぶ役割と老廃物や疲労物質を流す働きをするので、血流が悪くなると、筋肉へ栄養が行き渡たらなくなり、筋肉が固まっていきます。筋肉が硬いと、ふとしたときに、筋繊維が切れて、急性の腰痛を引き起こしやすくなります。また、血流が悪く、疲労物質が蓄積すると、それらの物質はどこにも逃げ場がなくなり、血管の外にまで広がっていきます。この広がった疲労物質が悪さをして、近くの神経を刺激すると、これが、痛みの原因となります。

腰そのものに異常があるため起こるもの

椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などです。椎間板ヘルニアふとした拍子に、急激に腰や首をひねったり、背骨や骨盤のゆがみで長期に渡っての圧力が椎間板にかかったりするなど、椎間板に過度な負荷が時かかることによって、椎間板の中身の髄核が飛び出した状態になります。

脊柱管狭窄症は年齢を課されることで背骨の中を神経が通る管の周辺が変形や、軟部組織が腫れて厚くなることなどにより、脊柱管が狭くなって、神経を圧迫します。

腰以外に原因があるもの(その他)

内臓疾患から引きおこる腰痛もあります。内臓疾患はガンを始め、命に関わる疾患もあります。特徴としては、整形外科などで治療しても良くならないときや、骨盤や姿勢矯正をしても良くならないときは内臓疾患からの腰痛の可能性があります。

腰痛が発生する仕組み

椎間板とは、腰椎(背骨)の1つ1つの間に挟まれた組織のことを言います。椎間板は、背骨を動かしたときにクッションの役割を果たします。

椎間板は、主に2つの構成物、髄核(ずいかく)と繊維輪(せんいりん)によって形成されています。髄核とは、椎間板の中心にあるゼラチン状の組織のことです。

お辞儀して体を前に傾けるときには、腰椎に椎間板が挟まれたことが原因で髄核が中心から後ろにずれます。髄核は、腰の動きによって動くものです。椎間板の中心にあった髄核がずれることで、その周りにある繊維輪を少しずつ傷つけていきます。繊維輪の内側が傷付いていても、それが原因で神経を傷ついたり、圧迫したりすることはないため、痛みを感じることはほとんどまれです。

しかしながら、髄核のズレが大きくなったことが原因で、繊維輪を外側まで突き破ってしまうことがあります。そうなると、腰痛を感じるようになります。また、繊維輪を突き破った髄核が、その周りにある神経を圧迫すると、足がしびれたり、足が動かしにくくなったりします。これが腰椎椎間板ヘルニアです。

栄養の偏りから来る腰痛

あまり知られていないのですが、実は栄養のバランスが乱れると、今、感じている腰痛を悪化させることもあります。

ヒトは何かものを食べて、糖質を摂取すると、最終的に体内でブドウ糖になります。このブドウ糖が必要以上に体の中にいると、タンパク質と結合して、AGE(糖化最終生成物)を作り出します。AGEは骨や軟骨、筋肉、靱帯などを劣化させる働きがあります。そのため、AGEが増えると、椎間板の構成物である繊維輪も劣化し、もろくなります。繊維輪がもろくなると背骨が動いてしまい、椎間板の中心にある髄核がずれたときに、簡単に繊維輪を傷つけるようになります。糖質を過剰に取り過ぎると、腰痛を引き起こしやすくします。

さらに腰痛には、椎間板ではなく背骨がもろくなったことが影響している場合もあります。特に閉経した後の女性は、ホルモンの影響もあり、骨が弱りやすく、骨粗しょう症や腰椎圧迫骨折になりやすくなります。

対策としては、骨を丈夫にするカルシウム、ビタミンD、マグネシウムなどの栄養素が不足しないようにすることがあります。もちろん不規則でバランスの悪い食事が続きこれらの栄養素が不足すると、まだ働き盛りの若い世代、30~40代の男性にも同じく危険があるので、十分に注意が必要です。

腰痛の治療方法

腰痛

腰痛の原因はわかったと思うので、今度は治療方法についてです。栄養不足からの腰痛は栄養をとればよくなりますが、ほかのものはどうでしょうか。

椎間関節性・筋筋膜性・

椎間関節性・筋筋膜性には一般的にマッサージが有効だと言われています。痛みの原因となっている筋肉をメインに腰回りや股関節、下肢など周辺の筋肉を広くもみほぐすことで症状を改善させることができます。

鍼灸治療もマッサージよりさらに局所的に治療ができるのでいいと言われています。また、カイロプラクティックも骨盤と背骨の動きをだし、神経の伝達を正常化していくので、とても有効的な治療法です。カイロプラクティックは姿勢も改善されるので、おすすめです。

椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症

椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症にもマッサージは有効です。痛みで腰・股関節周りが緊張しているので、下半身を重点的にマッサージすることで、症状が改善します。

坐骨神経症状ときは腰椎や神経付近に鍼をさして、電気を流します。電気で血流をよくして、痛みの緩和や炎症症状を改善します。脊柱管狭窄症は、カイロプラクティックで骨盤と背骨の調整を行うことで、姿勢の改善をし、神経の流れをよくすることで症状の緩和が見込めます。脊柱管狭窄症は、症状を見ながら、治療することが重要です。もしも治癒院などで症状が緩和されなければ、病院に行った方がいいです。

腰以外に原因があるもの(内臓疾患)

これらの病気は治癒院では治せないので、病院で精密検査や診察を受けてください。特に腎臓や膵臓になにかしらの病気があり、腰痛を発している場合は、背中や腰をたたくと背中からお腹側に突き抜けるような痛みを感じます。ただの腰痛だと思い、治癒院に通っているが、なかなか症状が改善しない方は一度病院で診察をしてみてください。

まとめ

腰痛

普段の日常生活で腰を前に曲げたり、猫背を長時間続けたりしていると、髄核がずれて、繊維輪を傷つけ、それが腰痛になります。腰痛で悩まれている方は、治癒院などで治療してもらってみてください。